伸学ゼミナール大井本校は湘光中にピタリと照準を合わせた授業内容。少人数制、演習指導で小学生から大学受験まで責任を持って指導します。

3.国語指導の方針

日本語は、多くの日本人にとって、母国語として生まれたときからその中で感じ、考え、コミュニケ-ションしてきた媒体であり、まるで空気のような存在で意識的に獲得してきた対象ではありません。

中学で英語を学ぶことで始めて自分が自覚せず話したり書いたりしている言語の特殊性に気づく端緒が与えられます。
同じことを表現するのに英語と日本語ではなぜかくも違うのか、比較の対象を持つことで自分が育ってきた言語環境を相対化できる視点を始めて獲得できることになります。

小学校までは漢字、言葉の意味などの基礎知識をしっかりさせ日本語の基本的な運用能力を少しずつ高めていくことが主眼ですが、中学では英語という比較言語を持てる段階にきたのですから、より自覚的な日本語能力の開拓に向かう時期です。

sr_05.jpg その課題とは、ズバリ論説文・説明文が読めるようになることと書けるようになることです。
論説文・説明文は、自分の思いや考えを第三者に理解してもらうために必要不可欠な、普遍性の高い表現形式です。
文学作品の場合は、抜きん出た個性と並外れた言語感覚が必要かもしれませんが、論説文・説明文であれば特別な才能は要りません。にもかかわらず今の中学生の多くは論説文・説明文を大の苦手としています。

近年の急速な電子機器の普及で日本語がとみに口語化し、カタカナ混じりになり、奇怪な略文字化している影響で、多少ともフォーマルな場でのあらたまった表現に頭がついていかないようです。しかし、論説文・説明文の読解であれば、文章全体の要旨をつかむために形式段落ごとの内容要約をする、そのために何がキーワード、キーセンテンスなのかをマークするという具合にきちんと手続きを踏み、練習を重ねさえすれば必ず読み取れるようになるはずですし、書く場合も同様です。

自分の言いたいことは何か、それを第三者も納得できるような合理的な根拠を持って主張するわけですが、その際異なる立場の意見も踏まえながら、歴史的な視点、科学的な観点、大局的にして微細なアングルといった複眼思考を持って論を組み立てられれば面白いですしまた同時に大きな説得力を持たせることが出来ると思います。

時代は今このような確かな教養に基づく柔軟で明瞭な発信力を強く求めています。